📚Der Zettelkasten Niklas Luhmanns
1.序論
ルーマンは、45年間Zettelkastenにて記録を残していた。
2.自己記述
ツェッテルカステンを、一方では「思考ツール」と呼んでいます。このツールは、構造化され、関連性に基づき、差異を刻み込むような形で思考することを初めて可能にしたと述べています(9/8g)。「人は、ツェッテル化の可能性に注意を払うと、違った読み方をする」(9/d)とも述べています。
ツェッテルカステンは「思考ツール」
「構造化され、関連性に基づき、差異を刻み込むような形で思考すること」とは?
メモのナンバリングが、構造化、関連性、差異を刻み込むの3つを可能にするのに大きな役割を果たしてると思われる。
可能性に気づくと、読み方が変わってくる。まぁそうかも。
「第二の記憶」(9/8,2)であり、単純な知識のアーカイブではないと述べています。むしろ、「すべての恣意的な発想、読書のすべて偶然性」(9/8i)を投入できる「浄化槽」(9/8a2)である
重要なのは、「無数の一点一点へのアクセスに依存するのではなく、メモ間の関係性に依拠すること」である
常にメモ間の関係性へと注意を向けることを重要視しているということか。
メモを、メモ間の関係性ごと記録・保存していくことが求められる。
ただリンクしているだけではなく。
3.記述
Zettelkastenは主題に基づく大まかな分類はある。が、体系的に作ったものではなく、ルーマンの読書・研究関心の歴史的産物。
これがZK Ⅰの話。
各分類の中のカード数は、1枚から4000枚と偏りが大きくある。
choiyaki.icon1枚でもいい。
ZK Ⅱは、11の大主題ブロックに分かれる。これも体系性の結果ではなく、歴史的産物。つまり、分類を最初から考えていたというよりかは、日々の研究の中でできていったもの。
区分タイトルへの主題決定にもかかわらず、その主題についてずっと書いていくというわけではない。
番号の振り方から階層構造が想起されてしまうけど、そうではないということ。主題から始まってそれに関する話題を下位項目に書いていくのではなく、いつでも主題よりもメインの話となる、重要視される話題が出てきてもいい。
メモ内に興味深い副次的思考が見つかると、それは(即時又は後日に)追跡される。既存の思考に追加されるこれらの補足メモは、そのばに挿入されるカードに記される。
テーマに直に連結しているメモであっても、そこからたくさん伸びていくとは限らない。そこから別のメモが関連して思い浮かんだ結果、そちらの方が興味深ければ、テーマに直結しているもの以上に話は展開されていく。
どこの段階で出てきた話題が広がっていくかわからない。どこの段階で出てきた内容であっても、広げていくことが可能。言い換えると、一番はじめやからと言って大きな話題を展開しよう、なんて思わなくていい。
一つの主題/概念に関するメモがコレクション内の複数箇所に保管される。
派生していった先で主題/概念に関する記述が膨らむというのが、どこにおいても起こる可能性があるため。
で、メモ同士は連ねられているので、文脈をもつ。番号は個別のIDの役割を持っており、メモから他のメモが参照可能で、これまたどこのメモからでも、テーマの違うメモからでも参照可能。別のルートから参照した場合、異なる文脈にそのメモが置かれることになるので異なる情報を生み出す。
のちに出てくる「(a3)遠隔参照」による。
choiyaki.iconなるほどー。おもしろい。
番号づけが、上記を可能にしている。
(a) 単独参照:
メモ本文中に、扱う主題と関連するコレクション内の他カードへの参照がある。さらに3種に分類される:
(a1) 副次思考への参照:
直後のカード(上述の収納原理に基づき)で展開される。この近接参照は赤文字の(1桁の)数字または小文字で示され、参照先カードにも同様に記載される。
「直後」とは、配列の後(カウントアップ)なのか、派生先(付け足し)なのか。
この説明は派生先(付け足し)に関するもの?
どれも違った。この章は番号づけ以外の参照方法について述べている。
相互リンクをしておくのか。
隣り合うカードにrと書くことで、2枚を1枚的に扱う感じかな?
r→r1→r2と番号を振っていった。
(a2) 構成構造内の参照:
主題ブロック冒頭のカードで扱うべき複数側面を列挙し、通常赤文字の大文字でマークする。これは空間的に近い位置にある対応マーク付きカード(またはカード群)を参照する。
「主題ブロック冒頭のカードで扱うべき複数側面を列挙し」と書かれてるのでカウントアップかな、と思ったけど、大文字でマークするから違うのか。
これは、個別のIDを与えるのではなく?そうみたい。
(a)の話は同一コレクション内に位置するカードについての話。なので探すのは、近い距離にあるカードでいい。
ここにも見返しの機能が実装されている、といえそう。
これはもしや、メモカードに記述するものではなく、Structure Noteに記述しているものを指しているのか?
やとしたらだいぶ合点がいくけども。
DeepSeekによると、ルーマンはメモの形式を区別してなかった。なので、メモの記述の中にも、こういう構成構造内への参照が書かれていた。
ようやく理解できた。
例えば1/2a1と番号が振られたカードが以下の内容やったとする。…
「多くはメモ本文中または段落末尾に直接記載される」とあるので、こちらはメモカードに記述されるもの。
(b) 集合参照:
主題ブロック冒頭に、続けて扱う主題/概念と内容的に関連するカステン内の一連のカードを参照するカードが頻繁に見られる。この種のカードには最大25件の参照が掲載され、通常カード番号に加え対応する概念等が列挙される。筆跡・筆記具から、この種の参照カードが段階的に補完されたと判別できる。これらの参照カードは、特定主題に関連する大量のコレクションカードを一点から展開可能にする。